データ分析に役に立つ統計検定2級

仕事でデータ分析を依頼されて困ったことはないでしょうか。
データ分析と一言でいっても何をすればいいかわかりません。

データ分析に役に立つ知識として、統計があります。
測定など、たくさんの数があるデータを集めると、それぞれのデータの関係性が薄いほど似たようなふるまいをします。
そのふるまいを利用してデータの分析を行うスキルが統計です。

統計の知識があれば、データの意味を正しく理解して、的確に分析してよい意思決定ができるようになります。

デジタル化とも相性が良いので、ぜひITパスポートなど情報技術のスキルといっしょに統計を学びデータ分析ができるようになりましょう。

統計検定とは
統計検定のデメリット
統計検定2級の活用シーン
1. 大量のデータから予測したい
2. 少ないデータがどれくらい信用できるか知りたい
まとめ

統計検定とは

統計検定は、統計の知識やスキルを評価する検定です。
民間団体が行っています。

統計検定について、統計検定のホームページから引用します。

「統計検定」は、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。
データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する能力は、仕事や研究をするための21世紀型スキルとして国際社会で広く認められています。日本統計学会は、国際通用性のある統計活用能力の体系的な評価システムとして統計検定を開発し、様々な水準と内容で統計活用力を認定しています。
統計検定
https://www.toukei-kentei.jp/about/

統計はさまざまなところで活用できるスキルです。
例えば国政選挙のとき、まだ開票が始まったばかりなのにすぐに当確がでることがあります。
不思議に思ったことはないでしょうか。
これは出口調査などのデータと開票されたデータが似ている場合、出口調査の結果がわかれば全ての投票用紙を開くことなく結果がわかります。このデータが似ているかを判断するのに統計の知識やスキルが使われます。
このような統計の知識の理解度を評価する検定が統計検定になります。

また、統計検定1級以外はCBT方式で受験します。
CBT方式とは、各地のパソコン教室などのパソコンでいつでも受験できる方式です。
試験完了後、すぐに結果がわかるため便利です。

統計検定のデメリット

国家資格ではないので、取得自体のメリットはありません。
それ以外にデメリットらしいデメリットはありません。

私は統計検定2級を合格しましたが、あえていえば計算問題が多く難易度は高いと感じました。
コストを抑えるために独学でやりましたが、難しいので講座を受講した方がよかったかもしれません。

統計検定2級の活用シーン

統計検定2級までの知識が活用できるシーンは主に下記の2点です。

大量のデータから予測したい

大量のデータは、そのままですと意味がわからず扱いづらいです。
そのような場合に統計のスキルを使えればデータの全体像を理解することができ、物事の分析ができます。

分析ができれば、どうなればどうなる、といった予測も可能となります。

統計はデジタル技術とも相性がいいです。大量のデータを低コストで集めることができるからです。
これからはデジタル化が進んでいきます。
そんなときに統計のスキルがあればデジタルデータの有効活用ができるようになります。

少ないデータがどれくらい信用できるか知りたい

測定データなど、自然なデータは通常、まったく同じ値になることはほとんどありません。
ある程度のばらつきがあります。

そのようなとき、どのデータが信頼できて使えるかわからないことがあります。
特に、データの数が少ないときに困ります。
データの数を増やせば、上記の大量のデータから計算された平均値はほぼ一定値になります。
しかし少ないデータ数（5個など）の場合は、取得したデータから平均値を計算しても、使うデータが異なると平均値が一定値になりません。
これでは、データから正しい判断ができると確信が持てません。

しかし、データを増やしたくでも時間的な制約、金銭的な制約からデータが増やせないことも多々あります。

こんなときに役に立つのが、統計検定2級でもカバーしているt検定などの検定手法や信頼区間という知識です。
検定を行えば、その平均値が間違っている確率が推定できます。5%以下なら多くの場合信頼できます。
信頼区間は、真の平均値がどの程度の範囲に当たるかを推定する手法です。
これらの知識を使えば、今ある少ないデータで判断しても大丈夫なのか、それとももっとデータを増やさないといけないのか判断できます。

私が統計を勉強するきっかけは、少ないデータで正しい判断ができるようになりたかったからです。
特に役に立ったと感じることは検定の知識です。
主に実験の結果から判断し次の作業に移るのですが、判断を間違うと数万円と多くの時間をロスします。それではお客様の納期に間に合わなくなります。
そんなときに自分の判断の信頼性を上げることができた統計検定2級は非常に有用なスキルと思います。