OJT (オン・ザ・ジョブトレーニング) で仕事を覚えるだけでは、実務能力は鍛えられますが応用力や幅広く高い専門性は身につきません。
専門性を鍛え、応用能力を身に付けたければOFF-JTで身につける必要があります。
業務のスキルアップによく行われるトレーニング方法はOJT:業務をしながらの教育があります。
これは実際に実務を行う中で先輩方の指導を受けながら仕事を覚える方法ですが、これだけでは成長の限界がすぐにきてしまいます。
ではどうすれば良いかというとOFF-JT :業務外の教育で学習する必要がありますがこちらにもデメリットがあります。
そのためOJTとOFF-JTを上手に組み合わせることが効果的です。
OJTとOFF-JTの違い
OJTとOFF-JTの特徴をまとめると下表になります。
OJT | OFF-JT | |
方法 | 実際に業務を行いながら先輩から指導を受ける | 業務外に専門書などで学習する |
メリット | ・実務能力がつく ・きめ細かく親身な指導が可能 ・お金がかからず低コスト | ・体系的に学べる ・業務では得られない知識を得られる |
デメリット | ・業務で使用しないスキルや知識は得られない ・指導者によって教育内容にばらつきがある ・教育内容が体系的になりにくく業務の繋がりがわかりにくい | ・時間やお金がかかり、コスト高い ・専門知識を得ただけでは実務能力の向上につながらない |
OJTはコストがかからず実務能力が身につきます。しかし業務外の知識やスキルが身につきにくいです。
特に組織として効率化し、マニュアル化や標準化が進んだ業務では必要最低限のことしか身につきません。
一方、OFF-JTでは業務だけでは得られない知識を体系的に得ることができます。しかし時間やお金がかかり、また実務能力が身につきません。知識ばかりで実際に仕事ができない人に心当たりがある人は多いのではないでしょうか。
OJTとOFF-JTの使い分け
OJTとOFF-JTではメリットとデメリットが対照的になっています。なので両者をうまく組み合わせることが重要です。
OJT | OFF-JT | |
実務能力 (コミュニケーションなど) | ◎ | △ |
専門的知識 | ○ | ◎ |
業務周辺知識 | × | ○ |
実務でコミュニケーションなど、対人スキルは多くの仕事で必要となります。しかしこれらはOFF-JTで身につけることは非常に難しいです。
そのため実務能力はOJTで訓練します。
多くの職場では業務の効率化のため作業の専門化、マニュアル化や標準化が進んでいきます。作業の専門化は分業によるものなので、仕事の作業の一部分の専門家にはなれるかもしれません。しかし仕事全体、その分野の専門家になるには知識やスキルが不足してしまいます。
それを補うためにはOFF-JTで業務外のことも学ぶ必要があります。
効果的にスキルアップしていく方法
スキルアップにOJTとOFF-JTのバランスはどの程度にすればよいかというのは難しい問題です。
OJTばかりにすると実務能力は上がりますが、業務が難しくなっていくと専門的知識、スキルの不足から解決方法が見つからず仕事の成果につながりません。
OFF-JTを多くすると専門的知識、スキルは増えますがコミュニケーションなど実務能力が不足します。そうなるとやはり仕事の成果につながりません。
これは私の主観になりますが、このバランスはOJT 9 : OFF-JT 1 程度がバランスがいいと思います。
もちろん、このバランスは個々人の状況などで変えてもよいと思いますし、自分が新人なら全てOJT、ある程度仕事を覚えてきたら少しずつOFF-JTを増やしていくようにすればよいと思います。
例えば、業務を8~9時間やったなら、出社前または退社後の1時間は専門知識の学習に充てるとよいです。
これも私の主観になりますが、OFF-JTで専門的知識が増えていくと問題解決手段の手札が増え、問題解決が効果的に行うことができるようになります。
OFF-JTで得た知識をどのように実務に活かしていくか、これは実際に実務の中で意識的にやっていかなければ身につきません。すなわちOJTです。
そのためOJTとOFF-JTのバランスはOJTに比重を置くべきです。
OFF-JTで何をやれば分からないならお薦めする2つの資格
もしOFF-JTで何をやればよいか分からなければ、まず資格試験であるITパスポートと簿記をお勧めします。
ITパスポートは仕事で発生する情報の扱い方の参考にすることができ、またプロジェクトマネジメントや品質マネジメントといった広く使える知識も一部に含んでいるためです。活用しようと思えば有効な知識です。ITパスポートはいつでも受験できるため、便利です。
簿記は、営利活動をする上でお金の扱いは必須のため、自分の仕事にも密接に関わってくるためです。自分の給料(人件費)は、そのまま会社の経営に影響を与えます。会社の偉い人が気にする要素ですので、これがわかると仕事の判断や考え方が高度化していきます。
また仕事でこの知識が使えなくても、自分の家計管理に活用できるため無駄になりにくい知識です。
うまくOJTとOFF-JTを組み合わせ、実務能力と専門知識をスキルアップしていけば、将来の仕事で良い成果につながります。そうすれば給料アップや、転職で年収アップする可能性があります。
がんばっていきましょう。
OJT、OFF-JTをやったら、やったことをスキルマップにして自分のスキルを見える化しましょう